説得力と訴求力を数字に込めれば嘘も本当にできるかもしれません



たとえ概算や試算であっても『数字』を織り込んだ話は訴求力を得られます。そこに算出根拠があればさらに説得力を得るでしょう


面白いもので、メリハリのない話に『数字』という隠し味を加えると存外に説得力のある話に変わることがあります。
さらにその数字が、それを見た人たちの直観に働きかけることができると、不思議なくらいに聞き手への訴求力が生まれることがあります。

たとえば、通販マニアには堪らない枕詞には、必ずと言っていい程数字が使われています。

  • おかげさまで1000万本
  • 限定2万セット
  • 堂々第1位
  • 通常の3倍
  • 5倍のエネルギーゲインが(略

何のことだか分からないのに、つい釣られてしまい購買意欲までそそられてしまうことがあります。商品がもたらす価値とは関係のない数字にもかかわらず、興味を惹かれてしまうのです。

冷静に考えれば、その数字を達成するのにどのくらいのお金と時間を使ったのか、自分にとって有効な情報なのか、そもそも本当に達成したのかなどと、ツッコミどころ満載ですが、思考力の鈍った深夜にさらに思考力を低下させるお酒を呑みながらインターネットや通販番組を観ていると、このような数字が踊っていたので思わず注文していた、なんていう経験は誰にでもあると思います。

さらにもう少しだけ『数字』をちょい足しすると、さらに惹かれるコピーに様変わりします。

  • 3ヶ月で1000万本達成
  • 限定2万セット3日で完売
  • 10週連続第1位
  • 1週間でウエスト-8cm
    (※あくまでも個人の感想です)
  • アルティメットフォームのパンチ力はマイティフォーム(2t)の10倍

一瞬の虚をつかれて「一体何がっ?」と画面に注目したら、もう相手の独壇場です。
あとは効果・効能を怒涛の勢いでたたみ掛け、あなたが電話を手にとるか注文ボタンをクリックするのを待つだけです。
そうして何日か経った頃、届いた商品に期待に胸ときめかせて開封して、一通り楽しんだ後はお蔵入りでしょうか。
はたまた、痩せるかもしれなかったサプリメントやウェストが引き締まるかもしれなかった変身ベルトのようなそれは、他人に譲渡され終了でしょうか。
買ってしまった商品をお客がどうしようと、売る側には関係ありません。

これがプレゼンテーションのチカラです。

お客のハートを鷲掴みにするという目的を達成するには、お客を良く観察するだけでは不十分です。ただひたすらお客のことを見続けるだけでは、商品を買ってくれたり、受注が取れたりすることはまずありません。

そこで数字が必要となります。
数字、それもお客が満足する数字を常に意識して、それをどのように実現できるかというストーリーをプレゼンに盛り込むことで、初めて訴求力が生まれます。

数字の単位は、お金であったり数量であったり期間であったりと、いわゆる費用対効果に連なるものかもしれません。はたまた、売上や利益の増加率かもしれません。

しかしお客を見続けきたあなたなら、お客の欲しい数字が何なのか知っているでしょう。
あなたが長い時間をかけて手に入れた、貴重なお客の数字という情報を使わない手はありません。

また、数字を効果的に使用すると、見る者を誘導したり煽ったりできます。
こうした効果を狡猾に利用して、競合他社の製品やサービスを貶めるような数字を集めて比較することもできます。

以下に紹介するネットで拾ったコピペは、極端かつデタラメな例ではありますが、そうした効果を端的に表す好例です。

『カップラーメンは人体に対してこんなにも危険』

  1. ラットによる実験では、ラットをラーメン内に入れると87%の確率で溺死する。
  2. カップラーメンを食べた人が将来200年以内に死亡する確率はほぼ100%。
  3. 凶悪犯がカップラーメンを購入する確率は、同じ犯罪者がアフガニスタン国債を購入する確率よりはるかに高い。~/li>
  4. カップラーメンを気管に入れると咳嗽反射が起こり、最悪の場合窒息により死に至る。
  5. カップラーメンを食べながら自動車を運転した場合、重大な人身事故が発生するおそれがある。
  6. 健康な成年男子にカップラーメン1個のみを与えて長期間監禁した実験では、被験者の99%が50日以内に死亡した。
  7. 電化製品をカップラーメン内に入れると、破損するおそれがある。
  8. 25年間保存されたカップラーメンは有毒である。
  9. <li<カップラーメンを作る際に火傷をした人の85%は、カップラーメンがなければ火傷はしなかったと述べている。

  10. 米国では倒壊したカップラーメンの入ったコンテナの下敷きになって人が死亡した事例が報告されている。

如何でしょうか。
もしあなたがカップラーメンを知らなければ、『危険なモノ』だと刷り込まれてしまうかもしれません。
このような事例は、とても身近な至るところに潜んでいます。

数字の効果、使うか使わないかは、あなた次第です。

Written by Interlude.

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